維管束植物門 ウラボシ綱 ウラボシ目 チャセンシダ科 チャセンシダ属
オオタニワタリ(大谷渡)
学名: Asplenium antiquum
地方名: ヒラムシルー、ヒラムシル(沖縄本島)、サムムス(宮古島)、フチィビィ、サラムシラ、サラムシル(八重山、石垣)、ヤマガシャ、オバシャ(奄美)
分布: 伊豆諸島、紀伊半島、四国南部、九州〜沖縄の暖地、および台湾や東南アジア
解説
少し旅行に行って、南の島に上陸した時に、スケールが大きいと感じることはあると思う。それはなんでそう思うのかよく考えてみると、生物の大きさに関係する。でも一目見て大きいとわかるのはやはり植物の仲間であり、その中でも目立つのはヤシとオオタニワタリである。
オオタニワタリと一言で言われてもピンとこない人も多いと思う。オオタニワタリはすごく大型のシダの仲間で、珍しい特徴を多く隠し持っている面白い植物だ。沖縄や奄美、小笠原などの南の離島に多く生息し、九州などでも見かける。前は高知県でも見かけたことがあるほどだ。この分類の広い試打だが、南の個体群の方が大きい傾向にある。だからその中でも一際目立つのは、やはり南の島の個体群である。
表紙の写真をもう一度見ると、とてもシダには思えないような形をした葉がついている。これでもシダの仲間であり、裏に胞子体がびっしりとついていることがある。また後ほど写真が撮れ次第ご紹介したい。裏に茶色の長い胞子体がついているのには圧巻である。
小笠原諸島で大谷渡りを見つけられた方には注意しておきたい点がある。小笠原諸島には2種のオオタニワタリが生息している。オオタニワタリとシマオオタニワタリである。この2種の確実な見分け方は、裏に胞子体がついている時期に胞子体の長さが、葉っぱの端から端まで繋がっている(端から葉脈、葉脈から端に繋がっている)場合はオオタニワタリ、シマオオタニワタリは半分にしかいかない。ここで見分けた方が良い。他の見分け方もあるようだが、詳しくは知らないので、別の文献を頼ってほしい。
オオタニワタリ類のしっかりとした特徴は、やはり、自分っで腐葉土を作り、蓄え、使っていることだろう。オオタニワタリは実は木の中程についていることも多く、その場合は根っこの姿を目の当たりにすることができるのだが、それで見た時に、土を根っこが囲うように持っており、木の上に土がある姿を見ることができる。どうしたのか。それは、自分の落ち葉や木の落ち葉などを根っこの中で飼っている微生物に分解させ、腐葉土を使って自分を成長させるとかんがえられる。これを聞かされた時、これがもし本当ならすごく面白いシダだと思った。この植物が土の少ない場所の土を自分で潤し、自分専用の「料理」を作っているのだと考えると、生き残り戦略を変えまくった結果がこれなら面白いと思ってしまった。シダ植物には珍しいものがたくさんいる。それを見つけるのが大事である。