脊索動物門 鳥綱 カイツブリ目 カイツブリ科 カンムリカイツブリ属
カンムリカイツブリ
学名: Podiceps cristatus
地方名: キャツブリ(熊本)(カイツブリ類全般)
分布: ユーラシア大陸やオーストラリア
解説
冠を帯びた頭を持ったピンク色の嘴の大きな池の生物をご存知だろうか。池にいるとたまにいて、その大きさからいつも興奮してしまう。そして、名前にカイツブリがつくカイツブリ類で最大種、カンムリカイツブリを見ないわけにはいかない。
カンムリカイツブリはその名前の通り冠があり、その部位のことを冠羽という。冠羽は、カンムリカイツブリとアカエリカイツブリしか持たない特徴的な部位なのである。そのどちらの種類も分類学上はカンムリカイツブリ属であり、冠を持っている意味もなんとなくわかるであろう。このカンムリカイツブリはカイツブリ類にしては大きく、近くで見るとなかなか迫力のあるものであり、コガモほどのサイズはある。カモとおなじサイズの潜るカイツブリがいるとなかなかびっくりするものである。
こう見るとカイツブリ(上)とカンムリカイツブリ(下)を見比べると、似ているところと違う点がいくつかある。まずは、体の形がカイツブリ類に共通する、むっくりとお山のような形の体になっている。また、カイツブリも冬羽では、嘴がピンク色なのですごく似ていることもよくわかる。遠くから見ると印象がなかなか変わってくる種類ですが、近い仲間であることも共通点からだとよくわかる。
しかし共通点があるなら違いもある。まずカイツブリは首の長さが短いのに対し、カンムリカイツブリは首がとても長く、バランス的にはカワウなどのウ類にも似ている。また、目の虹彩の色は、カイツブリが黄色なのに対し、カンムリカイツブリは赤色である。
またカンムリカイツブリの方が比較的体が水に沈みやすい傾向にあり、ほっそり見えることもしばしばある。上の写真は少し体を持ち上げてくれた時の写真なので、まだカイツブリらしさがわかる。
カンムリカイツブリの後頭部は、ハート型に分かれた冠羽がよくわかり、後ろから見た時に初めて存在に気づくことすらもある。また甘雨の下を見ると、甘雨に沿うように、白い部分があることにも気づき、それを知った時にはパンダ見たいと思ったぐらいである。とにかく後ろ側は、冠羽がしっかり見えており、黒の模様が少なくなっている。
この個体は冬羽であり、自分は夏羽をまだ見たことがない。しかし、滋賀県の上や、北海道、福島などの限られた地域では、アカエリカイツブリとともに繁殖行動が確認されており、カンムリカイツブリ自体は毎年繁殖している個体群もいるようなので、気が向いたらそちらに出向いてみたいものだ。ちなみにカンムリカイツブリの夏羽はカイツブリのように赤みがまし、関羽が目立つようになるので存在感が高くなる。やはり、カモと同じようにカイツブリも同じ水の仲間、生き残り方がやや似ている。しかし、嘴の形がやはり細長く、平べったい嘴とはなかなかに違う。特にハシビロガモなんかとは対象的だろう。
しかし、似た生活を送っているものはカモにもいるものだ。通称「ウミガモ」と呼ばれるこのグループは、嘴や体の形自体はなかなかに違うものの、潜水するという特徴を持っているので待ちげることもある。大型カイツブリ類を見つけたい時にまず注意することがこれである。また、カモ類にはアイサ類という、非常に厄介なものがいる。これは嘴も細長く(カモとは思えないまでに細長い)潜水機能も身につけている非常に識別困難なものだが、アイサ類の方がでかく、カンムリカイツブリと間違えることは最近は減ってきた。あいさ類はなかなかカイツブリ類と色が似通っていないため、どちらかというとアイサ類はカワアイサとウミアイサで見分けれなくて、マガモのオスとカワアイサのオスを間違えるという悲惨な事故まで起こる。カンムリカイツブリよりはるかに大きいと思えば間違えは減るだろう。
カイツブリ類は足の形が特殊である。弁足と呼ばれるのであるが、なかなか写真が撮れず記載はできない。見る機会があればオオバンの足を見てほしいのであるが、一本一本の足に水かきがつながらずに分離してついている。試しにカモ類の足を見ると、水かき足と呼ぶように足全体にくっつき(または一つの指を除いてくっつき)、つながっている。泳ぎやすい工夫なのだが、前者は陸から水にカモ類より遅く分岐してきたので、別の方法を取ったのだと考えられるのである。
こういうふうに首を疼くめていることも時にはある。こういう時は天敵に見つからないように身を潜めているか、昼寝をしているかのどちらかが多い。このあと目を瞑って少しの間波に流されて居眠りしていたと思われる。しかし、上をタカが通ったため、生きていますようにと願っただけなのかもしれない。正体はわからないが、これだけ大きくなったとしても外敵はつきものである。
これが寝ている時の様子である。カンムリカイツブリはよくお上品な寝方をするということで知れ渡っており、これを見ても、首をしっかり曲げて折りたたんで寝ているので、寝方は決して悪くはない。しかしこの写真だけだと毛繕いかねているのかがわからない。首を折りたたむことでの判別の悪さはここに現れている。