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ウラジロ(裏白)
学名: Diplopterygium glaucum
地方名: ウナギル、ウヤジル(徳之島)、ウラジル、ウラズィル(奄美大島)、ワラビ(沖永良部島)、モロムキ(九州、長崎)、シダ(関東地方)など
分布: 本州(福島県・新潟県または山形県以西)、四国、九州、沖縄(琉球)にかけての暖帯・照葉樹林帯
解説
皆はシダ植物と聞くと何を思い浮かべるだろうか。普通の人だと、ワラビやぜんまいなどの食用のシダなどに似た形をしたものを思い浮かべるのがほとんどであろう。しかし当ブログではオオタニワタリやアジアンタムなど、普通の感性ではシダとは思えないようなシダも取り上げてきた。今回もその一つなのであるが、驚いたことに昔はこれのことを代表的なシダと呼んでいたのである。それが、「ウラジロ」だ。
ウラジロは日本をはじめ、中国や東南アジアなど、アジア州に勢力をもつどこにでもいる普通のシダである。しかし外見は決して私たちが思い浮かべるような「普通のシダ」ではない。「普通のシダ」が6枚合わさっているように見えるのである。これはその「普通のシダ」1枚が一枚ではない。なんと、6枚全てが一枚の葉なのである。しかも、普通のシダとは違い、その1枚の葉を一株で多数つけるのである。さらに、平面に生えるのではなく、高さがあるようにはえる。なので、普通に見ていると一種類の低木のように見えてしまうほどもあるほどなのである。これほど普通のシダと思えるシダとはかけ離れている性質を持ち合わせているのにも関わらず、この植物は昔の人たちにとってはこれこそが普通のシダであったとされている。
写真はイヌケホシダ
このウラジロは、上のイヌケホシダ(今でいう普通のシダの一種)と比べると、全く違うところは多い種類なのであるが、確かに胞子嚢から胞子を出して、子孫を残すという手段は普通にシダと同じであるし、葉自体の形状に違和感があるわけでもない。けれど、昔から多くの範囲に生息し、シダと言われてきたものが現代では別の意味を表しているというところは不思議なことである。昔からの意見を感じながら、その植物について改めて見てみると、名前や変わってこなかった形にまた再び驚かされる。