節足動物門 > クモガタ綱 > クモ目 > ハエトリグモ科 > オビハエトリ属
アオオビハエトリ(青帯蝿取)
学名: Siler cupreus
地方名: ハエトリ(総称)
分布: 本州、四国、九州、南西諸島(屋久島など)
解説
世界で最も数が多い動物の「門」をご存知だろうか。動物と称される生物類の中には実に多様な生物がおり、鳥類、哺乳類、爬虫類、両生類、昆虫類、貝類などと総称して言われることが多い。しかし、本当の門について知っている人がとても少ないように感じられる。その類の中でも大きな分類の一つになるのが、門という分類体系であり、多くの世界において通用する。その中で一番動物で多いのが、節足動物門である。今回はその中にいるクモ類をみていきたい。
クモには本当に多様な生物種が存在する。網を張るクモから、網を張らず地上で徘徊するクモ、水中で生活するクモから、水上を走り抜けるクモから、都会の過酷な生物環境で耐え抜いてきたクモだっている。今回はその中で一つ、網を張らないクモである、青オビハエトリというクモをみていこう。
皆さんは、ハエトリグモという生物を聞いたことがあるという方は多いと思う。しかし、どんな生物なのかいまいちわかっていないのではないか。ハエトリグモは、通常は網を張るクモという種類の中で網を張らない面白い生態を持っている。普通は地上を徘徊して、ハエやアリなどの生き物を探しては捉えている。そのハエトリグモにも数多くの種類が存在しており、全てを記録することは不可能に近しい状態であろう。しかし、ハエトリグモの仲間が見るのが難しいかというとそうではない。今日は、森に入ると一番目につくハエトリグモを紹介しよう。
このハエトリグモ、アオオビハエトリの最大の特徴は、鮮やかというポイントである。ハエトリグモの仲間は意外と鮮やかで綺麗な種類が多く、ファンが多くついているめちゃくちゃユーモア溢れる種類なのであるが、ここまで見捨てられているのは本当に珍しく、もったいない。そして、このクモは名前の由来のとおり、頭胸部の脇には青緑色をした線が通っており、綺麗なラインの象徴ともなっていて、この種を見分けるのはとても容易である。また、1番前の足を挙げる姿勢が多く、ハエトリグモの中でも一部の種類しか見られない行動をする。しかもこの個体はだいぶ大きくなり、指のはらぐらいのサイズには成長するため、意外としゃがんでいなくても見つかることがある。
この種類は本当に日陰にいることが多く、本当の写真記録という意味では厳しいのは現状であろう。特に晴れの人もなると光のコントラストによって肉眼でも見つけれるわけがないほど色が黒くなっていて悲しいことになる。上の写真だってその一つである。
アオオビハエトリを探すとなったら一番いいところはやはり倒木や、木柵、丸太柵などの木でできた柵類などといった、木がやはり大事になってくる。この種類は、植物や壁にいることもあるが、ほとんどの場合、地面を徘徊しており、そして、倒木や木柵などに登って餌を探していることも多いのである。これによって、見やすいところは地面よりかはもっぱら木柵や倒木の上となる。
ハエトリグモの仲間は良く前脚を上げているポーズをとった写真が多いのであるが、これは警戒している証拠で、できるだけ体を大きくして食べれないよと知らせる威嚇の役割や、襲ってきた時に近くのところで飛び移る逃げの体制としてとても重要な役割を担っていると思われる。実際にこの後は寝て逃げていってしまったが、写真としては、腕の構造もわかって非常に面白い。
さて、このアオオビハエトリであるが、足の色も非常に面白い。足は前脚だけが非常に太く、毛がみっ種しており、威嚇や逃げの態勢としての役割をしっかり後押ししている。そして、白と黒とのストライプ模様となっている。しかし、他の脚は、細く毛はあまり生えておらず、また色は、同色からアオ錆色といった金属光沢のあるクモとは考え難い色である。この金属光沢によって多少は毒があるアピール(実際には毒はない)や、光の反射による目眩しに役立っているのではないかと考えている。
ハエトリグモという生物は、地上にいる生態系を裏で支えるすごい生物である。見つけるのは難しいものから簡単なものまで本当に様々なので、皆もぜひ野山や平地、街中に出て、ハエトリグモを探してみてはいかがだろうか。