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アオジ(青鵐)

学名: Emberiza spodocephala

地方名: あおんちょ、あおちょ、あおすずめ、ヤブチン、ヤブッチョ、ヤブドリ、アオチ、アオビョウト、アオニジョウ、アオショウトなど

分布: 夏期に北海道や本州中部以北で繁殖、冬期に本州以南へ移動して越冬 

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解説

少し緑豊かな野山。

そんな場所は小鳥たちの楽園である。

ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、エナガ、シジュウカラはもちろんのこと、コマドリ、オオルリ、ウグイスである日本三鳴鳥をみることだってそこまで難しくない。

そしてその輪の中にあまり意識されていない小さな鳥がいる。

それが今回紹介するアオジである。

アオジは日本国内に広く分布する鳥で、農耕地などによく見かけるホオジロの仲間だ。

しかしアオジは農耕地にはあまりでない。すごく茂った草むらはホオジロと共存しているが、あとはもっぱら野山である。少し暗めの照葉樹林を好むため、薄暗い環境が好きなのかもしれない。

アオジは、北海道でも確認する。しかし、根室を訪れた際にアオジをみると、ガイドさんはとても喜んで写真を撮った。その人によると、最近はアオジをみる機会も減り、見れる季節も限られているのだという。

確かに北海道のアオジであるシマアオジはもうほとんど姿を消しているのと同様に、このアオジもすごく数を減らしているのではないかとも思ったが、やはり数よりかはどうも北海道の草原の広さで見つけにくいという点も重なっているように思われる。しかし、7月の後半に見つけられたのはすごく幸運であった。

アオジにはオスとメスによる色の違いがある。上の写真は河原に水浴びに来たメスである。アオジのメスは全体的に茶褐色であり、オリーブ色味を少し纏っている。そして、目の前の色が薄く、頭の色は茶色に近いのが特徴。

この写真がオスである。オスはお腹の色はメスよりも黄色味が強く、目の前の色は黒く、頭が灰色である。

しかし、オスも繁殖期を終えて非繁殖羽になるとメスとほとんど同じになりもう見分けはつかない。繁殖羽の共通点としては、嘴がピンク色がかかっている点や足がピンク〜薄橙色であることなどであろう。

アオジの足についてみてみよう。

前述した通り、アオジの足はピンク色〜薄橙色の中間のような色である。アオジの指は四本であり、一本は他の三本とは反対の位置についている。また、爪は黒くて長く、木の枝に掴まるのに適している。

ホオジロ類特有の特徴は尾羽の白い縁取りであり、それで見分けることができる。この写真は尾羽の裏側が写っている。アオジの尾羽は縁は黒くなっており、内側は銀色を思わせるほど綺麗な白色で、一番内側の付け根から分かれ目までは黒色である。また尾羽は途中で2枚に分かれるのも大きな特徴。下尾筒は緑色で体色とほぼ同じである。

アオジ類は暗めの場所を好むため、撮影がとてもしにくい。写真はヨシ原にいたアオジでおそらく近くにあった野山から、種子を取るために飛来したのではないかと思われる。このヨシ原は実に種類が豊富であり、多くのホオジロ類をみることができる。少し暗めの環境がぴったりなのかもしれない。

アオジの食生は雑食である。主に地面に落ちている種子や植物についているイモムシ類を食べていることが多い。この個体は道路脇に溜まっていた落ち葉から身をつまみ取っている。こうみると、アオジの嘴の形状が少し独特であることもわかる。

このようにアオジは、森や草むらなどの多くの環境に適用して生息域を広げてきた。しかし地味だからや多いからと言ってスルーされてしまうことも多い。皆さんもこれを機会にアオジなど身近な鳥類でも見過ごすのではなく、じっくり観察してみてはいかがだろうか。

その際には今回は触れなかったが、近似種であり、日本固有種であるノジコと間違わないように注意してほしい。